2025年04月22日

私たちが住む家、働くビル、遊びに行く商業施設――これらすべてにかかる税金、それが「固定資産税」です。そしてこの税金の仕組みを裏で支えているのが、「固定資産名簿」です。
固定資産税とは?
固定資産税とは、土地・建物・償却資産(工場の機械設備など)を持っている人に対して課される地方税です。
主に市町村が課税主体となり、その収入は地域の公共サービス(道路整備、教育、防災など)に使われます。
納税の義務は、1月1日時点の所有者にあります。
「名簿」がなぜ必要?
ここで活躍するのが、固定資産課税台帳(固定資産名簿)です。
この名簿には、次のような情報が記載されています:
- 所有者の氏名・住所
- 土地・建物の所在地と面積
- 評価額
- 地目(宅地・田畑・山林など)
- 用途(住宅用・商業用など)
つまり、「誰がどんな土地・建物を持っているか」を整理・記録した一覧表です。これが正確に整備されていないと、
✔︎ 税金を取りこぼす
✔︎ 二重課税する
✔︎ 所有者不明の土地が増える
といった大きな問題になります。
名簿と新しい課題
近年、少子高齢化や都市部への人口集中で「所有者不明土地問題」が深刻化しています。
相続登記を放置していると、誰が土地を持っているのかわからず、名簿の更新も滞ります。
この結果、
- 固定資産税が徴収できない
- 公共事業(道路拡張、災害対策)が進まない
など、行政運営にも支障が出ているのが現実です。
このため、2024年からは相続登記の義務化(違反すると過料も)がスタート。名簿の正確性を高め、地域の未来を守ろうという動きが加速しています。
名簿は「社会のインフラ」
普段目にすることのない固定資産名簿ですが、これは単なる課税の道具ではありません。
- 街づくり(都市計画、区画整理)
- 防災対策(浸水リスク地域の把握)
- 福祉(高齢者支援エリアの特定)
など、未来のまちを支える基礎情報にもなっています。
固定資産税と名簿は、私たちが安心して暮らすための、見えないけれど欠かせない土台です。
土地や建物を持つ責任、それを正しく記録し、支え合う仕組み――
名簿は社会の「記憶」であり、「約束」でもあるのです。
←「名簿と新生活」前の記事へ
「インフラ事業と名簿」次の記事へ →